2013-01-01から1年間の記事一覧

競演

横浜の席亭の300回記念。豪華メンバーにひかれて、もちろん伺う。 口上 談春:鮫講釈 花緑:つる 志らく:親子酒 中入り 三三:夢の酒 生志:道具屋 市馬:掛取り美智也 口上は堅苦しさのないラフなもので大幅に時間オーバー。 同世代の気楽さからか和やかな…

日本のエネルギー政策の誤り

原発再稼働の話はどう考えても割にあわないそう思っている有識者がこれほど多くこれほど政策サイドの数字の誤謬(というより誤った数字によるミスリードを誘う政策)に気づく人が多いのにまだそれをゴリ押しするつもりらしい。日本のエネルギー政策の結節点…

鬼平犯科帳を古今亭志ん朝の朗読で聞く

鬼平といえば吉右衛門の当たり役で それはもう、そんじょそこらの役者には演じてほしくない 役どころではある。 志ん朝の朗読があるとは知らず CDをたまたま見つけてこれを聞く。 音楽はあるが、わざとらしい効果音はほとんどなく 煩さのない、実に行き届い…

ロックテイストの夢芝居

ええ、あの夢芝居ですね、 梅沢富夫の。ラジオからカバーした曲が流れてきて ぐっときました。 演歌歌手のカバーはあったんだろうけど 歌詞もロックで結構はまってました。 意外な演者で違う魅力や かくれていた本質的なものがでてくることもあるような。 と…

道楽亭 柳家喜多八独演会

殿下、と呼ばれる妙な余裕と品のよさ?が持ち味の喜多八さんを聞きに行く。 50人、はいるのかなあ、というお店(普段はバー)はギッシリの満席。 一度やむなくキャンセルした後、すみませんいけそうなんですが、と電話をしたら、 「まあいいですよ、かなり・…

専門図書館めぐり

武蔵野の近隣の個性的な図書館を巡るツアーに参加。11月に入って急に肌寒い初日の平日。迷った末に、少々厚手の上着を来ていく。案内役が点呼の後、2人一組になり、まずは自己紹介から。「昨日はなにしてました?」ひとしきり和んだところで出発。武蔵野プ…

自分の感情から自由になるには

自分の感情に振り回されるのにうんざりしたらその感情が生まれる理由や状況を分析せよ、その分析の間だけは、そのーー怒りや、不信感といった負の感情から自分が開放されている、としたり顔でいうつもりもないのだが。したり顔ねえ、と自分を思い切りズーム…

ロスト・イン・ヨンカーズ

はじまったばかりの最初の方の回にゆく。まだこなれていない、という印象。終演後、誰が主人公だったのか、と連れが疑問を呈す。真ん中で挨拶してたから、ベラ役の中谷美紀なんだろうけど、と。言われてみれば、あの兄弟の生き残りの成長の物語かと思うけれ…

台風のよるに

その日は思ったほどの雨ではなくホールに電話をして、今日の落語会はやるんですか、と聞いたらはいやります、との答え。足がびしょびしょになる雨の中、ここは駅から歩くんだった、と思う。到着し、しばし時間がある。食事をしながら、ロビーの人も一様に外…

仲蔵狂乱

中村仲蔵の生涯を描いた「仲蔵狂乱」 松井今朝子を読む。 芸の工夫をして独自の定九郎役を作り上げたのは 波乱万丈の役者人生のなかのほんの序の口・・・ 声が悪くて苦労をしただけでなく それはそれはの筆舌につくしがたい苦労の数々。 歌舞伎本流の家柄で…

談志さんの評伝を

雑誌「文芸」の別冊のムック本「立川談志」の巻頭に −−巻頭と思っていたら、2番目だったのだが−− 松本尚久氏の文章があり、 追悼本にありがちの雰囲気(礼賛一色の)に水を差す抑えた筆致に 妙にひやっとした。 詳細はこちらを参照されたい、と簡潔にふれら…

上半期最後の一門会

談春さんの一門会を聞きに行く。最初に「この時点」での弟子が勢ぞろいしてまるで襲名披露のよう。前座さんのなかで登校拒否と退校が続出という師匠の言葉を聞くと、どうやらまたお休みしている人と辞めた人が出た様子。立川流は生き抜くのが厳しいからかあ…

立川談志 ドラマ 人生成り行き

仕事を終えて、楽しみにしていた立川談志のドラマの後編をみる。談志さんの若いころを演じた役者さんは見かけは似ていないけれど、ちゃんとそれらしい雰囲気がある。(病床の談志を演じた田中民(本当はさんずいだけど)はもう、これはちょっとズルいくらい…

志ん生一代記 ver.2

手にして読み始めおもしろくはあるのだが まあなんとも。 同じ間違いとしくじりばかりで えんえんと貧乏暮らしや運の向かない 極貧の暮らしが続く。 これが後にー最晩年に芸の肥やしになって花開くにしても これだけ延々と続けることもあるまいに。 その共感…

ジブリ 風立ちぬ

気になっていた映画を見てくる。 冒頭は夢のなかのファンタジックな飛行機の映像だ。 この人は飛ぶことや飛行機に関して相当な思い入れがあるのだろう。 相変わらず、どこか不穏でけれども美しい絵柄は 未来にある冒険と不安、喪失といったものを予感させる…

志の輔らくご 2

立川流の創設は、当初は今のような形を想定して居らず −−−晩年、談志さんが寄席に回帰したように−−− 寄席の中に独自のプログラムを提供するもう一つの会派を つくるだけを目指していた、ことからすると。 寄席を否定するつもりは毛頭なかったにもかかわらず …

志の輔らくごの

数少ない落語を聞く知り合いに 志の輔さんの、夏の恒例、牡丹灯籠があまり・・・という話を聞く。 もちろん、がっかりする内容ではなかったのだろうが テレビの有料放送ではじめて聞いた時のインパクトはなくなっていた などということなどよもやまと。 新作…

たそがれ清兵衛

いわずと知れた藤沢周平の時代小説をひとしきり読みふける。日頃はぱっとしないさまざまな癖のある人物がでてくる。その癖から侮られ軽んじられているのだが隠された剣の腕によって期せずして事件に巻き込まれ、からくも窮地を脱するのではあるが、同時にそ…

梅雨のさなかに

知り合いの旦那さんがなくなったと聞き 友人とでかける。 研究室の先輩で、その旦那さんも同じジャンルの研究者 となると案の定、会場は大学の先生やら研究所の人やら。 畑違いの道に進んだ身としては知り合いもいない。 故人の好きだったジャズが流れ 心の…

語り芸の本質  立川談春 九州吹き戻し

談春さんがここのところ都内でネタだしをする会を連続してやっている。その中で九州吹き戻しの会の、めずらしく先行発売の案内がきており「難しい(やる方も、聞く方も)噺だからねえ・・」と思いつつ試したところ久々に前の方の席がとれてしまう。実のとこ…

現代思想 就活のリアルの特集で

朝日新聞の、少し前の時評から気になっていたテーマだったが 今の若者が直面する状況とその根深い背景を そこに載っていた就活の論評とルポから知る。 そもそも現代思想という雑誌が就活をとりあげるのか 今編集長は誰なのか、と突っ込んだ友人もいる。 バッ…

獣の柱

SFっぽい芝居だった。 といってその設定が大事というわけでもなく その設定下で起こる人間ドラマ、という正統派の作品。 とはいえ、その設定はタイトルから暗示されるように きわめて同時代的である。 動物化するポストモダンを思い浮かべたが あながちはず…

桃太郎を今の世に語るには

こんなことは童話研究会にいたという三遊亭白鳥さんも その他この手の昔語りをしている人たちには自明のことなのだろうけれど。 三遊亭円朝が、誰かに禅の公案のように謎かけをされて そこから開眼した、という逸話があるそうだ。 ある話をいま円朝が語ると…

濡れた薪にガソリンをかけて火をつける

濡れた薪にガソリンをかけて火をつけるそれがアベノミクスだ、といわれて妙に説得力がある。ガソリンが燃え尽きるのが先か火で乾いた薪に本当に火がついて燃えるのが先か。これはそういう勝負? だ、と。様子見をしている人たちがそろそろ動き始める、のか乗…

中野剛志評論集「反官反民」を読む

タイトルにひかれて手にする。巻頭にある言葉をしばらくながめ後書きに共感する。ぱらぱらと拾い読みをし始めてきちんと読もうと心に決める。時流にながされず、物事の本質を議論しなければこの国もこの世界も、なんだかとんでもなくアグリーになってしまう…

そらまめと苺と

よく熟れた、でも小粒で酸っぱそうな苺がスーパーで安かったので久々にジャムにしてみる。横浜にすんでいた叔母が、よく形の悪い苺を買ってきてジュースにしていた。その叔母も、ある時、買いもの帰りの車の中で脳出血を起こしてあっけなく亡くなった。その…

骨格のしっかりしたワイン

ワインを形容するのに独特の言い回しがあるが この言葉は その最たるものかもしれない。 その他にも、グリーンの匂いがするとか 独特の形容が多い。 うっかりそれを別の文脈で使うと確かに違和感のある言い回しだが ああ、この人はワインを飲まないのか、 と…

桜をテーマにした女性限定落語会にゆく。前回同様、女性誌の主宰。会場には数種類の桜の枝ものを中心にした生花がかざられ花にちなんだピンクのさめ小紋の着物(桜色かといわれれば違うのが惜しいが)が展示され女性向けの微発泡の日本酒の試飲など華やいだ…

こはるパラダイス 

先月は談笑さん門下の吉笑さんを聴き今月はこはるさん。ああ、間に合わないと思って仕事先を出たけれど30分ほどの遅刻ですんで滑り込む。受付のお姉さんがまだいて、木戸銭を払えずに困るという図にはならずにすんだ。マクラは聞けず、道灌の後半から。道灌…

談春一門会

この一門に関してはお弟子さんだけの会のほうがのびのびしている それが厳しさが半端ではないと聞く師匠のせいかと 思いつつ出かけたせいか。 一門総出の挨拶で談春さんがとにかく弟子をけなしまくる。 慣れた人が聞くと愛情のこもった、3回転ひねりくらいの…