談春一門会

この一門に関してはお弟子さんだけの会のほうがのびのびしている

それが厳しさが半端ではないと聞く師匠のせいかと

思いつつ出かけたせいか。

一門総出の挨拶で談春さんがとにかく弟子をけなしまくる。

慣れた人が聞くと愛情のこもった、3回転ひねりくらいの褒め言葉なのかもしれないが

普通に聞くとどうだろうと思うほどのけなしかた。

一門会、というのは弟子とともに師匠を眺められる

めったにない機会なのだが。

 

 

昨日の一門会での前座2席が聞きづらかったと

アンケートにでも書かれたのか、

2夜連続の会の2夜目は、前座1席、談春、中入、2ツ目1席、談春の順。

2ツ目の2人を、両日出してあげればいいのになあ

それともどちらが人気があるのかをはかりたかったせいなのか

と深読みしてみる。

今日の2つ目、春吾さんの「持参金」は不思議にシュールな噺で

次に出てきた師匠自らの解説あり。

この話は女性が聞くと不愉快になるので、それを避けるために

シュールにした・・・大家さんから紹介された女性は

「ひじがない」、「ひざが4つ」などありえない姿。

 

 

この独特のテイストをして、きちがいだから

志らくさんに弟子入りすればよかったと師匠はいうのだが

当人は「談春一門の志らく派」と自己紹介するなど

めげた風もなく、なれた様子。

そのすっとした素直そうな風体は、花緑さんのお弟子にでもなればいいのに

と思わせるのだが、さて、そんなことはどこ吹く風。

口の悪い師匠に何をいわれても、めげもせずに

師匠にきちんと聞かせてから

この不思議な持参金をさらりと口演した模様。

 

 

個人的には、一門挨拶のときに出てこなかった

3番目と4番目のお弟子さんの行方が気になるところ。

どうやら、どちらかは今はお休みの様子。

最初に出てきたお弟子さんが5番目といってたところからすると

もう1人はやめている模様。

5年以内に2ツ目にならないと破門という掟を聞くにつけ

せめてチラシに名前のあった春樹さんは存命かしらとはらはらする。

年に4回この会をしますが

どんどん弟子は減って行きます、との師匠の不穏な発言も。

 

この日、談春さんの過激な発言にあてられて前半の噺にはまったく乗れず、

最後の夢金は聞かせてはいたけれど。

やっぱりお弟子さんだけの会ほうがこれほど緊張しない

と思うことしきり。

 

 

開演前にめずらしく時間があり、近くのスタンド・バーで

スパークリングワイン、にしんのマリネやら、

ガーリックピザで腹ごしらえ。

そこは、まずまずの夕方だったけれども。

妙に緊張した一門会でした。