年末に、テレビの数少ない落語番組で花緑さんの文七元結を聞く。
この番組の尺は20分。ご本人の解説というか、一言が落語の前につくのがお約束。
はじめの方こそ、多少説明的だな・・というセリフがあるのだが
後半は気にならない。
おおよそ1時間はかかるという噺を、ぎゅっと縮めて、
かつ山場も作り勢いもあって、ということで、いい出来だったのでは
と思う。
高座で前の出の人の噺が延びたり、自分のマクラが延びたりしたときに、
はしょって噺をする、そういう時は、ここを抜いて、というのがあるのだろうが。
はじめからこの尺、というのはこの番組で、それでも年末によくやるネタをかけたい
ということで狙ってのことなのだろう。
人情噺の大ネタを、おおよそ3分の1の時間でやるのだから
強弱を考えて組み立て直す、ということか。
大変面白く、そして満足して聞いた。
こういう融通無碍なところも落語の魅力なのかも。