三田落語会にてブッダのおしえ

友人に誘われて三田落語会。

扇辰さんと喬太郎さんというと、同じ顔付で翌日に国立劇場の会があったので

てっきりそちらかと思ったら。

 

扇辰さんは「落語とブッダ」というNHKEテレの番組の

再放送も見逃してテキストだけ読んで、確か何かの音源を聞いて以来。

ようやく生の講座を見る機会となる。

と、席上にチラシとともに「ブッダのおしえ」という説話集が。

どうやら、仏教と落語が古くはつながっている、というあたりを

意識した古典中心の落語会であるらしい。

同行の友人らに聞くと、「落語とブッダ」は最近再放送をしていたのだとか。

 

 

乃ゝ香:十徳

喬太郎:家見舞

扇辰:阿武松

中入り

扇辰:夢の酒

喬太郎真景累ヶ淵 宗悦殺し

 

乃ゝ香さんというのは、背の高い痩せた女の子で、

髪をひっ詰めた様は遠めにはひょろりとした男子に見える。

男姿にあまり違和感もなく、前座らしく精一杯の江戸前の落語。

悪くない。

 

 

季節外れの暑さに、着物を着ていこうかと思っていたが何を着ていか悩む。

結局断念するも、東急線多摩川の花火に向かう浴衣姿を見て茫然。

噺家さん2人も、この暑さに着物をどうするかの話と明日の同じ顔付の2人会の話。

明日はネタおろしとかで、そちらで頭がいっぱいと口をそろえる。

 

扇辰さん、相撲噺の口調の良さ、夢の話の女の色っぽさ。

婀娜な女や年若い女の悋気と、女の様々も。

喬太郎さん、まさかの怪談話。貧乏旗本の荒んだ暮らしと開き直り、

借金取りにのらりくらりといい逃れするさまなど、

なんともいえない気持ちの悪さがただよう。

因果が巡る長大な怪談噺の発端らしく、さりげない語り口に

なにやら後味の悪い余韻が残り香のように漂う。

 

2席ずつの口演。たっぷりと堪能。