長く暑かった夏が終わり、
ようやく爽やかで空の高い季節になった。
爽やかな空気に反し、ウクライナの紛争が終わるどころか
パレスチナでも紛争が始まり、拡大しないようにと
祈るばかりでもある。
しばらく、ドラマにはまっていた。
今までも秀作の海外ドラマや、時々は地上波のドラマに
それなりに感心することもあったのだから、さして珍しくもない。
登場人物たちの多くがトラウマを抱えている、と評した友人もいたが
ミステリかサスペンスのように、過去の出来事が少しずつ明かされる。
どこか懐かしい雰囲気の主題歌(70年代の洋楽のヒット曲)にのせて、
若い日の切なさや懐かしさ、そして大きな傷となる出来事が
モノクロームの回想シーンで描かれていく。
どんなやりきれない展開が、と思って見ていたのだが
過去と対峙し、いま、ここに視線を向け、自分を変えていくという
妙に前向きのメッセージとともに大団円。それはそれで驚く。
それこそ、ヒロインの言う
「何があってもみんな無事、誰も死なないハッピーな世界線があったらいい」。
そこでは、傷を抱えながら自分の望むものに近づくための努力をし
いくつかを失い、いくつかを手にする。
時には疑わざるを得ない、そういう当たり前の。
いいこともそうでないこともある、そんな世界で。
いまさらなのか、いまさらだから、なのか。
びっくりするほど素直なハッピーエンド。
何度か最終話を見返して。
さて、あなたは何を望むの。
そう問いかけられた気がして。