地元で贔屓の落語会。
弟子を連れずに大荷物で
(中入り後に着物を替えるからだろうが)
雨の中、10分ほど歩いて劇場入りしたらしく。
小田急線もダイヤ乱れといっていたので
最寄り駅まで電車できた模様。
にぎわい座でもないのに、最初から九州吹き戻し。
中入り
談春:棒鱈
以前、この人のお弟子さんのこはるさんが好きだといっていた
飯島和一の「始祖鳥記」を読んだ。
江戸時代に空を飛ぼうとした男の話なのだが
ゆったり広がる海の描写が印象的だった。
「九州吹き戻し」にも船が大海原を走る際の
見渡す限りの広大な海の描写があって、その良しあしが
この落語のひとつの肝なのではないかと思う。
船乗りたちの荒っぽいけれど
人の良い胆力のある話ぶりや海原の広さ
あっという間に天気が変わり、空の情景がみるみる変わり嵐がくる、
船が木葉のように翻弄される、それが映画のようで。
とても聞きごたえがあって、好きな噺のひとつ。
今回は人に力点があって、少し海の描写が弱く
うーん、以前どこかで聞いたときが一番良かったなあ、などと。
そういえばこの噺、珍しいはずだがすでに4回ほど聞いている。
さんざん笑いどころの少ない噺ですが、といって
時折笑いをはさんでいるけれど、うーん、こういうのは必要ない。
描写がしっかりできれば、笑いのある噺より私はすき。
その他に、マクラではいい人で優柔不断な男の役で映画に出た話題もあって
さて、この人が優柔不断とはロボトミー手術でも受けたか
鬱にでもなったか、といらぬ心配をしそうでもある。
複雑で面倒なところがなくなったら、さぞやつまらない人になるのでは
と思ったりもしつつ。
友人と美味美酒を味わい、帰るころには雨がやむ。
なかなかよい休日。