肖像写真 Ver2
ふっと違和感を感じる。
プロフィール写真よりも大きく使うとなると
カメラマンが選んだなかから、当然本人やマネジメントが絞り込んで選ぶ。
この表情は、初めに見たときにどうも気になって、
なにかがしっくりこない、と思った。
女性が選んだのか、繊細過ぎるのか、なにが厭なんだろう、と。
あとからわかったことだけれど、いつも使っている写真家とは
別の写真家の作品だった。
セピアがかった、4色で分解したやわらかなモノクロ写真。
どうもいままでとテイストが違いすぎる。
会場に置いてあったチラシに使われている、大阪と徳島のチラシ写真は
きっと同じカメラマンの作品だろう。
仲の良い女優さんの旦那さんであるところの
カメラマンの作品らしい。
神戸会場のチラシの写真は、黒がはっきりとしていて
男性的な写真だ。たぶん、いつもの肖像写真。
こちらは悪くない。
感じた違和感がいったい何なのか。
単に好きな写真ではない、というだけなのか。
落ち着かない、気分で。
この表情の中に、一体なにを感じたのかと。
この2年間のシリーズの隠しテーマは死であるという。
師を、実父を、慕う人を亡くすなかで
この人の強気一辺倒の何かが変化しているのか、
単に写真を撮影したときのコンディションがでているだけなのか。
そんなことは、きっと、これから現れてくること、に違いないが。