秋雨前線
カレンダーが1か月先になったような陽気。
夜、寝心地がいいのは助かるが、暑さがぶり返す時はまた辛い、と
先を読んで憂鬱になる。
落語会に出かける日にワクチン接種が重なり
予約を取りなおすかどうかで悩んだ末、当日内の時間変更なら手続きがいらない
といわれて、早い時間に行くことにする。
翌日に発熱する、と聞くので前日変更などよりはいいのだろうか
いや早々に熱が出たら会にいけないから、などと逡巡していても先に
進めない。
このところ、コロナの先行きがまた不透明になり
つくづく先の見通しの悪い、一寸先の見えない不確かな世の中だと思う。
横浜の落語会。
幸いなことに発熱は夜遅くだったので結果的には会を楽しめることになった。
横浜の古くからある、それこそ往年は談志、志ん朝とやっていた会の主催。
300くらいの小さな会場でやることが多いのだが、この日は「入る」演者なので
大きめの会場。
2階席までびっしり満席は、時節柄ちょっと怖い。
談春:狸の鯉
談春:こんにゃく問答
仲入り
談春:景清
景清で、主人公が開眼祈願で通いつめて100日目
自分はこらえ性がない上、老母が使い走りをして用意してくれる賽銭さえ
貧しい自分の家には負担になる、目が開かないなら開かないと
せめてそういってくれ、と神様に詰め寄るシーンが
なんだかやけに熱い、と聞いていた。
演者が、このコロナが収まるよう祈願していたのかどうか。
自分ははじめから3年くらいかかると思っていた、今で2年目にはいった
寄席がクラウドファウンディングで1億円集めて
それでなんとか今年中は大丈夫といっていたけれど、
各地の席亭だって同じことだから。
旅公演に行けないのは辛い、ただ現地に行って
ついたらここでは以前こういう演目だったから今回はと仕事のことを考え
1泊か2泊して東京に戻ってくるだけなのだが云々と。
さすがにこれだけ続くと先行きに不安も募る、
それは演者も業界関係者(席亭の営業継続などのインフラ)も同様のこと。
旅公演が飛んでしまえば、ちょっとした気晴らしの遠方への移動もないことだから
余計に煮詰まる、というもの。
先が見えない中で、そうそう忘れるところだったと
病気平癒、健康祈願で3本締め。
落語会は、今となっては数少ない気晴らしになっているのだが
今回はそこにコロナという現実が忍び込んだ。
ワクチンの有効期限も思ったより短いようで。
秋から冬はどうなるのやら。