石狩データセンター

3.11を前にして増えてきた災害関連の新聞記事の中に

石狩データセンターの名前を見つける。

災害の多い日本では、データの保管やクラウドサービスの確保は

企業の事業継続にとって死活問題でもある。たしかそういった文脈で。

その名前を見て、もうずいぶん前に、ここの見学ツアーがあり

参加申し込みをしたことを思いだした。

結果は抽選で外れ、ご丁寧に記念品を頂戴した、と記憶している。

 

 

あれから幾年。

若年が話題になった社長は(まあ、今でもそこそこ若手ではあるが)

ビジネス誌にインタビューと年譜が載るくらい著名なままで

創業後の危機と修羅場を超えてビジネスは軌道に乗ったと見える。

公益資本主義、という言葉を年譜にみつけて、ほうと思う。

 

 

一方で。

ある大国の元大統領が情報発信で愛用していたSNSアカウントの扱いが

某新聞で時系列に沿ってまとめられていた。

その中の囲み記事で、この人物を支持する熱狂的なSNSのサイトが、

プラットフォーマ―からのアプリの締め出し措置をくらった他に

グローバル企業の代名詞となったクラウドサービスの会社から

クラウドサービス自体を打ち切られたということが述べられている。

クラウド打ち切りの衝撃」と題して。

 

 

ネット上でも、牧歌的な自由主義の時代が終わり

これからは個人が発信するSNSにもある種の基準、規制がはいるようになる。

影響力の拡大には責任が伴い、やがては規制にむかう。

それが国家によるものになるのか、一私企業の判断によるものになるのか。

クラウドサービスも今やインフラ同様だとすると

その社会的責任は、かつてに比べて相当大きくなっていくのだろう。

 

 

リアル以外の、ネット上の領域の、質量ともに拡大するスピードに

さまざまな規制や懸念が追い付かない。

多くの企業のインフラとして、事業継承のための万が一の有事をささえる。

その一方で、今までおよそ考える必要のなかった様々な社会的影響力にも

注意を払わなければならない。

ネットというものが、それだけ社会の基盤として重要な「表の世界」になった

ということの、これは傍証になるのだろうか。