1970年の大阪万博

かかわりのあった小松左京の「巨大プロジェクト動く」を

古い本だが、興味をひかれて読んでいる。

どうして気になったたのかといえば、2025年に大阪で万博があるらしい

ということからだろうかか。

 

 

一読して、本人が言うように多忙を極めていた中で

とりあえず記憶の確かなうちに記録しようとした、これはいわば「暫定版」。

資料の準備も間に会わず、聞き書きの体裁だったようで

参考資料や図版、記録写真などもなにもない、備忘録めいたもの。

それでも当時、小松左京がかかわることになったこのプロジェクトの様相が

なんとなく伝わってくる。

 

 

この時代の、世界の中に置ける日本の立ち位置、

そして小松らが志向した、のちに「未来学」へとつながる構想。

テーマ館の設営その他を岡本太郎にまかせたことも

今からするとなかなかの決断ではあるが

その下準備を図らずもすることになった、

万博の歴史からはじめて広範に調査し研究する小松らの

自発的な研究会のことなど。

 

 

いまさらこの時代に博覧会でもないだろうという声も聞こえてくる中

こういった骨太の人々の後を継いで、現在に確かにつながる遠い未来を

国家の枠に縛られずに透かして見ようという人はどこにいるのか。

 

 

ミラノ博は、たまたまイタリアに行く用があり

むしろその時の日本館の映像展示に興味を引かれて

そちらがメインのつもりで立ち寄った。

この時の日本館の展示はテーマ設定から扱う内容まで大変良かったと記憶している。

テーマに沿ったこれまでにない切り口で、ああ、日本というのはこういう国で

こういう文化をもっているのかと、それが美しい映像とともに伝わった、と思う。

そしてそれが第何次だかの日本食ブームとその輸出へとつながっているのは

ご存知の通り。

 

 

東京オリンピックが、まさかの疫病のパンデミックで延期を余儀なくされ

来年の開催も形式を変更しての開催が検討される。

万国博にも、影響はあるだろう。

リスクを減じるようなものが転じて、全く新しいものが生まれれば

それこそ僥倖。

 

 

5年後は、もうすぐそこ、に。