芸大美術館で有名作家の卒業制作作品がかなり出品されていて興味深く見る。
中でも松田権六の文箱(こじんまりしたいい形)が気にいる。
まだ若いころからこのくらいの作品を作っていたのかと。
蓋裏には咆哮する獅子。
表には逃げ惑う草食動物たち、という見立ても楽しい。
同じく板谷波山の卒業制作は木彫で
当初は木彫を志したのか、というのも驚きだが
これもまた端正である。
若書きという言葉があるが
若いうちから完成度の高さが感じられる作家というのは
一定数いる。
どうということもなく、ただそうなのだ、というだけなのだが。