談志祭り 2015

談志さんの命日にあわせて

新真打のお披露目を兼ねてゆかりの読売ホールで。

1日半、3公演の興行であわせて5人の真打が巣立つ。


今回聞きに行ったのは、談春さんのトリ、初日の夜公演。

新真打は左談次さんのお弟子さん、談奈改め左平治さん。


キウイ:寿限無

談修:目黒のさんま

雲水:犬の目

左談次:天災

中入り

口上:雲水、談春、左談次、談之助、左平治

談之助:とんちき(禁制落語53のうちの1つ)

談春:三軒長屋


足を骨折してまだ痛そうな左談次さんを指し

左平治さんを真打にするにあたり相当骨を折った

と口上を述べた司会の雲水さんを、口々に「うまい」

といいながら、なんでそんな気の利いたことを言えるのに

高座ではあんな危ない話ばかり、などと突っ込みがはいる。


この先はいばらの道ですが、1本道が伸びています

などと褒めているのかけなしているのかさっぱりわからない

それぞれの口上のあと、3本締めで門出を祝う。


これからいくつかのホールをまわり

披露興行を自分で打つのだが(プロモーターを頼む金がないとかで)

2千名を動員しなければならない、などと左平治さん。

これが落語協会落語芸術協会なら、お金はかかるものの

舞台は席亭が用意してくれる。

システムにのっかれば披露興行の舞台はお膳立てされているし

プロモーターは最初からセットのようなもの。

が、立川流はまずはそれすら自分で切り開け、ということか。

確かにいばらの道ともいえるが、どのみち

自主興行で席を売らなければ、先があるわけでもない。


いやいや。

売れっ子の先輩がゲストで出てくれることもあるのだろうが

それにばかり頼っていても先がないだろう。

小さな会でファンを増やし、地道に精進しなければ、ということか。

読売ホールの、多くの談志ファンの前で一席できるわけでもなく。

同じ落語家になるにしてもサラリーマンとベンチャー企業くらいの差。

そう思うと、厳しいなあ、と。


談春さんの三軒長屋は熱演ながら時間も足りず

体力も切れたのか、途中であっさり落としてしまう。

好きな話だけれど残念なこと。


どこかでまた聞けるかしらんと、そんなことを思いつつ。

有楽町の夜はふける。