苦労して並んで入手したチケットでの横浜の独演会。
どういうわけか、ここのところやっかいごと続き。
駅から歩く道々で、気持ちを切り替える。
前座は孫弟子にあたる喜多八師匠のお弟子さん
柳家ろべえさん。
おなじみのやじろべえからとった名前の由来などはなして「たらちね」。
師匠の前座で何度か目にしているが,
言い間違えまで笑いに変えて案外安定した高座。
おなじみの長い長いマクラはいつものとおり。
度忘れや間合いにも独特のおかしみがある。
百川ね、と周囲のお客さんもうなづいている。
ところがそこからまたマクラに戻り延々。
という肝心の話が脱線ではなせていなかった様子。
噺に入り「百川」。
さらし、焼酎などの肝心のアイテム名をたびたび度忘れ。
話に入るまでが長かったため耐えきれず、
前のほうの席の女性が途中退席。
ひやひやしながらも下げになり、中入り。ここまで1時間半。
中入り後。
もう終演かと思った、と笑わせながら
これはどこからはいってどこで終えてもいい噺。
伸縮自在、勘所があればどこをどう飛ばしても戻ってもいいので今度は安心。
会場中が大満足の笑いにつつまれる。
マクラの話によると、上の前歯をすべて義歯にする手術後であるとか。
その割に、あちこちの地方の会に出かけている様子。
売れっ子で看板とはいえ、高齢の身にそれはいかにもきつかろうと思う。
「そんなことをしていたら落語家の信用がなくなる」と
主催者に伝えて主催者も談志の降板を決めた。
その後、円楽さんが旅先で歯痛を理由にでられないことがあり
それも大変だった、などという今日のマクラを思い出す。
今なら2人のことがわかる、といって笑わせたのは
今日の会も、歯も膝も痛い中でも断れなかったのかしら。
落語会に付き合ってくれた人と
小三治さんが、年末、マクラもなしに
季節外れの青菜をやった会は
あれはよほど機嫌が悪かったのかなどなど。
気持ちよくとまでいかないが
かなり気持ちが切り替わって家路につく。
夜空の月を見上げる余裕がようやくできて。
半月。