月亭可朝の喜寿を祝う会

おひさしぶりの可朝さんの会。

ゲストは談春さん。

吉川潮氏の企画。


らく次:雛鍔

可朝:犬の目

談春:紺屋高尾

中入り

トーク:可朝、談春吉川潮

可朝:怪談市川堤/出てきた男


可朝さんの犬の目、怪談市川堤ともに初めて聞く。

市川堤は、幽霊役の前座がでてくる噺らしいが

今どきは笑われてしまい興ざめなので、と

かわりにギターを弾きながら漫談風の歌を。

ナンセンスな曲で笑わせて、

陰惨で衝動的な連続殺人の怪談噺を締めて

これはこれで喜寿の会にふさわしく。


談春さんの紺屋高尾は、可朝さんの会だからか

テンポよく、照れる間もないくらいにポンポンと進み

随所に笑いもはさまれて、適度にドライ。

なかなか江戸前な仕上がりでいつになくよい。

可朝さんと並ぶと、ギャンブラーとしては

神経質に見えてちょっと小粒に見えるところも面白い。


可朝さんが野球賭博でかさんだ3千万の借金を

1日で取り戻そうとして3千万を突っ込み、

見事勝った話は有名だったが。

自宅を抵当に入れ、銀行から6千万の融資を取り付けて

負けたら手放すつもりだった、という話は初耳。


無茶な賭けをする一方で案外見切りもほどもよい。

その昔、バブルのころだかに不動産業をはじめて

結構もうけ、だが借金を返したら見切りよく会社を手放し、

損をしなかったという。


米朝さんが、「テレビで売れなければ

もっと稽古に励んだものを」と惜しんだその落語も

粗削りだが、テキストの力をそのまま伝えて

味わいがある。


喜寿のお祝いにふさわしく明るい会となって。

たっぷり楽しんで家路につく。