春風亭一之輔 独演会

にぎわい座の独演会。
売れっ子のまま飛ばしていたが完売の札がたたないので
はてな、と思いつつ会場へ。


柳家小かじ:たらちね
春風亭一蔵:鷺とり
春風亭一之輔:笠碁
中入り
春風亭一之輔:唐茄子屋政談


小かじさんは三三さんのお弟子さんとか。
背の高さは似ているけれど、声も大きく動きもある。
出はけがふわふわしている(妙に年寄り臭い)三三さんとちがって
そこは普通。
あぶなげがない分、あまり印象に残らない。


一蔵さんの「鷺とり」は確か上方ネタ。
前日にたまたま文珍さんのCDで聞いており、
ほぼ上方ネタのまま話している。
4人死んで1人助かった、と言いようによっては陰惨になる下げを
あっさりさらっという文珍さんと違い
落ちたところから湯が沸いて、そこが浅草温泉・・とあくまで陽気に。
キャラクターにあっており、そこは工夫の様子。


一之輔さん、相変わらず面白いけれど
この日は入りがあまりよろしくない。
2階席は閉め、1階席にもところどころ空席が目立つ。


息子の将棋好きの話からはじめて笠碁。
子煩悩らしく、9歳と5歳の男の子の話はとても味がある。
子どもネタを、今回のエピソードのように
「かわいくないけどかわいい」(ひねくれてるけど、ちゃんと親思い)
とできると、きっとまた一段味わいが増すのかと。
そういえば一之輔さんでは子どものネタをまだ聞いていない。


唐茄子屋政談は、ネタおろしなのかいまひとつ。
人情八百屋風に霊岸島などといっているが
唐茄子屋のような前半の滑稽部分は工夫があり、
後半はとんとんと走りに走っておえる。
いつだか「美談は嫌い」といっていたので
後半の運びには苦心の様子。
臭くなるのが嫌なのかも。


真打昇進が決まってから、50日間の披露興行、
各地でのお披露目、そして欧州公演と息をもつかせぬ展開で
逸材っぷりを見せ続けていたけれど。


少し出過ぎたせいなのか、
面白さも達者さもかわらず、毒舌もかわらないのに
集客に少々勢いがない。


周りは使い方を考えてあげて
勉強会のように、気楽な場所で新しいこと
やりたいことをさせてあげてもいいような。


そんなことを考えながら家路へ。