先月のさばのゆでの桂吉坊の会で。
青菜:桂吉坊
狐芝居:桂吉坊
遅い時間に始まるため、駅前のビストロでワインと前菜
そしてパスタとリゾットで腹ごしらえ。
かなり気分良くなってしまい、落語が聴けるかあやぶんだのだが。
狐芝居、初めての噺だがしゃれているな、と思って
動画で探してみる。
お師匠さんの吉朝さんの音源がでてきて
聴き始めるととてもよい。
芸に熱心な、まっすぐな大部屋役者の
心意気、というものではあるのだが。
芝居話としては、確かに落語らしく
洒脱で哀切。一抹のさみしさと寂寥と。
歯切れのいい、達者な芸にしばらくひたり
なかなかに、芸人の心の琴線にふれる噺でもあろうかとも。
とぼとぼよたよた歩き去る狸の役者に
そっと声援を送ってみたくなる。
世にある多くの芽の出ない仕事。
それでも一心に好きだからと捨てることもせず
慣れも飽きもせずにただただ精進するという道。
何かを思い出し振り返り。
梅雨の晴れ間に、今年はこの噺を。