明治座にて  5月花形歌舞伎

明治座に5月の花形歌舞伎を見に行く。
今回は夜の部。
先代猿之助が詳細不明の古い演目を復活上演させたと言う
伊達の十役。
文字通り、男女合わせて十役を、相手役とのものも含めて
40数回の早変わりをするもので、宙乗りあり、妖術ありと
まさにスペクタクルなスーパー歌舞伎っぽい演目。


休憩が30分ずつ2回もあるのは、主役がでずっぱりで
消耗が激しいからだろう。


とはいえ、男女で早変わりする際は
つい女形にしては肩を下げるのを忘れるなど
余裕のなさがチラリとでていた、とは一緒に見た人の感想。
ああ、厳しいなあ、猿翁さんのときはもっと女形が
早変わりでも肩を落としていて女性らしく見えたなどなど。
こんな大変な役で、障子の影をばたばた走る気配まで
知っているくせに、見巧者の意見は。


この役は10役を演じ分ける技量とともに相当な体力もいるから
40から50歳くらいで、上手な人でなければという制約がある。
先代猿之助さん以外では、海老蔵さんが演じたというけれど
やはりちょっと、いう話もあって。


当代猿之助さんに演じてもらいたいかしら、などという芝居の後の
他愛ない話もなかなか楽しい。
人形町にて、めずらしく夜もふけるまで。