ななつのこ

友人が貸してくれて「ななつのこ加納朋子を読み終わる。

わざわざ貸してくれた意味を知り

その時つぶやいていた、彼女の最愛の人、今は遠く離れてしまった人

のことを、どんな想いで語っていたかを考えた。


繊細で壊れてしまいそうな、けれど鋭い感受性を秘めた子供がでてくる。

その章はどんな評者でも取り上げざるを得ないエピソードに満ちていて

かつその子が必死に自己の感受性を守ろうとする姿に

友人が自分の子供時代を重ねていたのがよくわかる。

 

あなたと、かつての私はとても似ている、そうつぶやいただろうことまで

なんだか、既視感のように感じられて。


数年前に、土に埋められる悪夢を見たこと。

この本を呼んだときの落涙。

花の季節は過ぎ去る、ただただ、無為に。

あるいは。