わざわざ貸してくれた意味を知り
その時つぶやいていた、彼女の最愛の人、今は遠く離れてしまった人
のことを、どんな想いで語っていたかを考えた。
繊細で壊れてしまいそうな、けれど鋭い感受性を秘めた子供がでてくる。
その章はどんな評者でも取り上げざるを得ないエピソードに満ちていて
かつその子が必死に自己の感受性を守ろうとする姿に
友人が自分の子供時代を重ねていたのがよくわかる。
あなたと、かつての私はとても似ている、そうつぶやいただろうことまで
なんだか、既視感のように感じられて。
数年前に、土に埋められる悪夢を見たこと。
この本を呼んだときの落涙。
花の季節は過ぎ去る、ただただ、無為に。
あるいは。