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キングの新作 2

やられた、その手があったか、という大どんでん返しの後に

それだけではない、手だれた大衆作家ならではの巧妙なもうひとつの仕掛けが隠してあった。



キングの「11/22/63」は

失われゆくものへの切実な思いやら、人生の哀歓が胸に迫る

文字通りの良作であり、心にしっかりしみいる上質なエンタテイメントでもある。

単なる小道具のように使われていたはずのSF的な仕掛けをはじめ

モダンホラー的な、あるいはファンタジックな仕掛けは

すべて最後にひとつのピースとなって重要な意味を持つことになる。

近代史の隙間を追い求めるミステリーとしてのスリルまであって

しかもそれらが単なる仕掛けにおさまらずに人間ドラマにもなっている。



落涙して、脱帽して、満足する。

月並みなことばでいえば、ごく親しい人に贈りたい。