読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

台風のよるに

その日は思ったほどの雨ではなく
ホールに電話をして、今日の落語会はやるんですか、と聞いたら
はいやります、との答え。


足がびしょびしょになる雨の中、
ここは駅から歩くんだった、と思う。


到着し、しばし時間がある。
食事をしながら、ロビーの人も一様に外の風雨が気になる様子。


前座はこはるさん。
目黒のさんま。
雨の日にまったく不似合い、と次にあがった師匠にくさされたけれど
ちょこちょことアレンジがはいっており
ただの古典からかなり現代風の味付け。
確かに、ピーカン照りの秋晴れの話ではあるけれど。
たっぷり、と声がかかり「師匠の会ですから」ときりかえす。


ついで談春さん、こんな天気にほぼ満席で、と感動したとのこと。
手慣れた掛け声が「タクシー」とかかり
すぐ近くならともかくそんなに遠くは出せないなあ、と続ける。
どうやらひいき筋がきていたのか、どこから来ているのかまで
わかるような掛け合い。
なにをかけるか迷ったといいつつ、自分も晴れの日の落語をと
かぼちゃや。


中入後
与太郎にも前座、二つめ、真打ちとありまして
これからやるのは真打ちの与太郎の話、2人の人物の間で
与太郎象が食い違い、その真ん中で与太郎が笑っているような・・
と大工調べへ。


湯のみのお茶が出ているので、これは啖呵をまくしたてる話だろうと
およその予想がつく。
以前に比べて早さは同様だが、さすがに声量を絞っている。
喉への負担を考えたのか、年齢からくる肺活量の問題か。


大工調べは談志さんによると
あの棟梁は単に啖呵を切りたいやつ、とのことだったが。
この話で最後まで羽織を脱がなかったのが談志と志ん朝だったとのこと。
途中、棟梁が威勢よく羽織とともに尻っぱしょりする場面があったけれど。


今回、2題とも、少し間がありすぎた。
ゆっくりと情景描写しながら話にはいっていく、
その最初が、(入り込む前が)どうもテンポが遅すぎる。
ん? と眉をひそめて、集中するならいいのだが
すこしはいりこめずに(こちらが)もたもたする。


談志さんがこのホールで伝説の「居残り左平次」をした
自分も5年ぶりだが、いつかそのくらいの「居残り左平次」を
といいながらも、今回は強気の勝負をせずに
「たまに、ここにひとりで出てくるのが怖いときがある」
などと。


時間が余ったので、と普段着の弟子を全員客席に放ち
質問タイム。
黒木瞳天海祐希の印象や、落語がうまくなる方法等を。


帰りの電車もとまらないうちに、きっちりと2時間に納めて
会はあっさり終了。
こちらもあっさりとはけて家路を急ぐ。