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志ん生一代記 ver.2

手にして読み始めおもしろくはあるのだが

まあなんとも。

同じ間違いとしくじりばかりで

えんえんと貧乏暮らしや運の向かない

極貧の暮らしが続く。


これが後にー最晩年に芸の肥やしになって花開くにしても

これだけ延々と続けることもあるまいに。


その共感のしずらさ、解説の山田洋次も同様だったらしく

むしろ不気味なほどだと書く。

晩年の快進撃と、破天荒なエピソードの数々

談志が心酔した芸、その芸への追求と執着など

あとはすいすいと。


この芸能が寄席での人気と活躍を下地にして

ホール落語や独演会の場で磨きこまれて、

やがては落語という芸能も芸道として叙勲や表彰の対象になりはじめた

それを思うと、後年、寄席をはなれて独演会を生業とすることになった

一派の辛さやありかたを思う。


人気商売の、でも人気とは別種のうまさとは何か、

芸としての完成度、きらめき。

その人なりの個性や人生。

精進の歴史から醸し出される、芸の味、ありかた。


そんなものにあらためて思いを馳せる。

人気や売れっ子になる、その先の先のたどり着けるかどうかもわからない

はるか遠くの到達点。

それを目指した人だった、この人も。

棺を覆いて評価が定まる。まだまだ時間はあるのでは、と

自戒もこめて。