ゴジラ-1.0  勝てる場所を探す

ゴジラの新作映画を特撮オタクの友人たちと見に行く。 大変面白く、また狙い所のよさに感銘を受けた。 戦後すぐの日本という時代設定にしたことで「勝った」という感じ。 非常によくできた収まりのいい映画だと思う。 「シンゴジラ」の大成功の後では これ以…

女流落語家、という業

談春さんのお弟子さんの子春志さんが襲名披露の興行中。 きちんとした、古式ゆかしき襲名披露は国立演芸場で済ませており こちらは本当の意味でのお披露目、披露興行。 ゲストも師匠の人脈を生かして豪華、恵まれたスタート、というところ。 ネタ出ししてい…

天高く、・・

長く暑かった夏が終わり、 ようやく爽やかで空の高い季節になった。 爽やかな空気に反し、ウクライナの紛争が終わるどころか パレスチナでも紛争が始まり、拡大しないようにと 祈るばかりでもある。 しばらく、ドラマにはまっていた。 今までも秀作の海外ド…

「言語の本質」今井むつみ・秋田喜美 を読む

「言語の本質」は話題になっていて気にはなっていた。 乳幼児がどうやって日本語を獲得するか、 ほとんど無意識に使いこなすレベルまで到達するのか、という考察から始まり、 タイトル通り言語の本質に迫る内容で興味深く読んだ。 とりわけ、記号接地問題と…

牡丹灯籠

談春さんと三三さんの牡丹灯籠を、 友人にチケットあるよと声をかけてもらいでかける。 リレー形式での牡丹灯籠で、高座前のトークによると 談春さん曰く、2人の声のトーンが似ているからとのこと。 例によって、あちこち脱線するトークだが 三三さんは切り…

スーパームーンとブルームーン

地球と月が近くなるためにいつもより大きく見える月をスーパームーン 月のうちの2度目の満月をブルームーンと呼ぶらしい。 正確に言うと、スーパームーンは年のうちで最も大きく見える1回だけを いうらしいのだが。 いつもより気持ち大きく見える満月を見た…

「大規模言語モデルは新たな知能か」を読む

Chat GTPに関しては、雑誌の特集等でおおよそのことはわかるのだが。 山形浩生が、某経済誌の書評コーナーで、その概要の解説書として 取り上げおり、ほう、と思って手にする。 著者は、かのプリフェアード・ネットワークスの最高研究責任者。 この本自体、…

喬太郎さんと扇辰さんの 

落語会に行く。 2人会ではなく、某有料放送で落語ネタをもとにドラマを作っており その新シリーズにあわせて、元ネタを演じてもらうという趣旨の落語会らしく。 三遊亭二の吉:桃太郎 柳家喬太郎:紙入れ 入船亭扇辰:鰍沢 中入り 東出昌大、柳家喬太郎:ト…

談春さんのこと

ここのところ、落語から、気がついたら遠ざかっている。 もともと狭い範囲を聞いてきて、あとはCDやら書籍やら。 聞きたいと思う高座も限られていて、しかも人気のある演者が多く チケットがなかなかとれない上に、 先行だのプリセールだのも鬱陶しく チケッ…

継続するということ

歌舞伎界の名跡を継ぐ人物の降板の顛末を見ていて 考えるところがある。 若手の、それなりの実力のある俳優と、名跡の一門の若手が穴を埋め 彼らの頑張りと、おそらくは同情票も少しあって、大きな穴は空かずに (そして好評のうちに)興業は続いているよう…

地域寄席

地元の落語会に出かける。 老舗の焼き肉屋さんでやっている会の、文化ホール版となる。 長く続いている会で存在は知ってはいるが どちらも行ったことがなかった。 三遊亭けろよん:出来心 春風亭かけ橋:かぼちゃ屋 三遊亭兼好:厩火事 中入り 寒空はだか:…

追悼 ジョー・ブライス

若冲を見いだしたことで知られるコレクターのジョー・ブライス氏が なくなったというニュースを見る。 少し前に、コレクションの一部を出光美術館が購入し 一部を展覧していたので、いろいろ考えていたのかもしれない。 これだけのコレクションを、よくふさ…

談春さんの会

町田のホールにて談春さんの会。 時間がギリギリになることはわかっていたが なんとか定刻前につき一安心。 都心からの微妙な距離を反映して開演時間が早い。 にもかからず、この人の会はいつも開口一番から自分でやるものだから、 不測の事態が起きると間に…

カポーティ「クリスマスの思い出」と志の輔さんの会

トルーマン・カポーティの「クリスマスの思い出」を読む。 某新聞のコラムで、年の離れた(祖母と孫くらいの)バディもの という紹介に惹かれたのだが、内容は予想したものとは大分違っていた。 凝った装丁と挿絵の本である。 短編なのに、この一編しかはい…

寒波のなかで

電気代も値上がりし物価も30年ぶりにあがり コロナからの大回復で景気がよくなる頃合いだが 生活実感としては冷え込んでいる。 ウクライナの紛争からまもなく1年になり こちらも問題解決の兆しは見えてこない。 それどころか米国に続き欧州も武器供与を始…

大竹伸朗展

1ヶ月ほど前になるが、竹橋の近代美術館にて 大竹伸朗展を見る。 都現美の展覧会から16年ほどたっている、ということで そんなになるのか、と。 あのときは「全景」というタイトル通り、すべての作品を総覧する内容。 作品数は膨大で図録の作成が遅れたの…

鎌倉広町緑地と

某テレビ番組で鎌倉の都市林として地元の人しか知らない 鎌倉広町緑地が紹介されており友人とともに訪ねる。 サザンオールスターズの原由子さんが他の湘南の魅力とともに紹介していたが ここはガイドブックには全く載っておらず、 湘南鎌倉にはまあまあ詳し…

リウーを待ちながら を読む

たまたま手にして、一気読みの後も何回か読み返している。 コロナの騒ぎが無くとも、読みごたえがあるとして 強く印象に残っただろう。 感染症との闘いは、日々の闘いに負け続ける中で、 人として人に対して誠実であろうとする とんでもなく大変なことなのだ…

リウーを待ちながら を読む

たまたま手にして、一気読みの後も何回か読み返している。 コロナの騒ぎが無くとも、読みごたえがあるとして 強く印象に残っただろう。 感染症との闘いは、日々の闘いに負け続ける中で、 人として人に対して誠実であろうとする とんでもなく大変なことなのだ…

あさのあつこ「バッテリー」

映画化だか映像化だかされて、主人公の名前を呼ぶ その合い方の男の子の高い声をなんだか覚えている。 見たわけではない、なにか予告編とか、短い時間見ただけなのだか。 声のトーンだったか言い方が、好きではなかった。 読み始めて、面白い。 2巻目から全…

夏の終わりにジュブナイル小説を

永遠に、この記録的な暑さが続くように思われたのが嘘のように まるでこのまま秋になるかのような気配の今日この頃。 朝晩が涼しいのは本当に助かる。 日差し自体が凶器のようで、日が落ちるのを待って外出していたことを思えば ありがたい限りだ。 そんな折…

夏の終わりにジュブナイル小説を

永遠に、この記録的な暑さが続くように思われたのが嘘のように まるでこのまま秋になるかのような気配の今日この頃。 朝晩が涼しいのは本当に助かる。 日差し自体が凶器のようで、日が落ちるのを待って外出していたことを思えば ありがたい限りだ。 そんな折…

小説「大河への道」を読んで

志の輔さんの小説版「大河への道」を読む。 私自身、耳で聞く人というよりは、目で読む人の傾向が強いので 活字を追うことで、いろいろ改めて腑に落ちたことがある。 伊能忠敬の人となり、地球の大きさを実測と理論値から推計する という目的を達した後も、…

小説「大河への道」を読んで

志の輔さんの小説版「大河への道」を読む。 私自身、耳で聞く人というよりは、目で読む人の傾向が強いので 活字を追うことで、いろいろ改めて腑に落ちたことがある。 伊能忠敬の人となり、地球の大きさを実測と理論値から推計する という目的を達した後も、…

戻り梅雨のあとで

地元のホールに談春さんの独演会を聞きに行く。 このホールは、手前にあって取りぬけのできたデパートが閉店になり 今は取り壊して更地になろうかという頃合い。 以前は駅からアーケードを抜けてエスカレータを上るとデパートがあり そこを通り抜けるとホー…

戻り梅雨のあとで

地元のホールに談春さんの独演会を聞きに行く。 このホールは、手前にあって取りぬけのできたデパートが閉店になり 今は取り壊して更地になろうかという頃合い。 以前は駅からアーケードを抜けてエスカレータを上るとデパートがあり そこを通り抜けるとホー…

ローザンヌ国際バレエコンクールと古典落語と

3年ぶりに観客を入れて開催されたファイナル(最終審査)の模様が TVで放映されて、欧州のバレエ団のダンサーだった人の 技量に関する丁寧な解説もあって興味深く見る。 2位には、スイスのバレエ学校留学中の日本人女子が選ばれて 最後のインタビューを聞く…

ジャレド・ダイアモンド「危機と人類」

ジャレド・ダイアモンドの「危機と人類」を読んでいる。 学際的で特徴的な学問領域を修めた人らしい部分が随所にあるが この本で使っている手法には多少異論もあるようだ。 にもかかわらず、フィンランドの対ソ戦、冬戦争に関するくだりなどは 現在進行中の…

賃労働の系譜学、と

今野晴貴の「賃労働の系譜学」を読んでいた。 ブラック企業、ブラックバイト、やりがい搾取といった話題を耳にしていたが ある程度まとめられたものを読んでみると、特に最近話題のギグワーカー (とその評価システム)の問題などにも腹落ちするところがあっ…

賃労働の系譜学、と

今野晴貴の「賃労働の系譜学」を読んでいた。 ブラック企業、ブラックバイト、やりがい搾取といった話題を耳にしていたが ある程度まとめられたものを読んでみると、特に最近話題のギグワーカー (とその評価システム)の問題などにも腹落ちするところがあっ…